グラナダの興亡(短編)

グラナダの位置
グラナダでプレイした結果をまとめたリプレイ(AAR)です。
初心者と中級者のどちらでも楽しめるスタイルを目指しました。
はじめに
このリプレイ(AAR)では、興味のある方だけに詳しい説明をお届けできるように、補足説明は次のような形式で折りたんであります。必要に応じて開いてお読みください。
グラナダの紹介
今回プレイしたグラナダは、西ヨーロッパでイスラム教を信仰する唯一の国です。
そのグラナダも、まもなくレコンキスタ(再征服運動)の名の下に滅ぼされようとしています。
EU4のバージョンは1.26.1.0。DLCは当時最新の「Dharma」までをすべて導入しています。
プレイは日本語環境でおこない、本文中の用語は原則として当時の翻訳を用いました。
本文中の出来事は歴史的事実の解説を除いてすべてフィクションです。実在の人物・団体などとは関係ありません。
グラナダの周辺地図
(国境はプレイ開始時のもの)
国土は首都グラナダを含む3州しかありません。
国内に異教徒・異文化はなく、進行中の反乱もありません。
政体は首長国(君主制)で、イクター制を採用しています。
国教はイスラム教のスンナ派です。
カスティーリャ、アラゴン、ポルトガルと停戦中です。
今回のプレイではポルトガルからライバル指定されていました。
ムハンマド9世(ナスル朝)43歳(統治1 / 外交1 / 軍事0)
開幕
1444年の西地中海
グラナダがモロッコ、チュニスと軍事同盟を結ぶ。
調子に乗ったグラナダは、ライバルのポルトガルに教養豊かな侮辱を送りつけた。
いわく「貴国が地図上に存在する限り、地図は決して芸術になり得ないだろう」
グラナダがモロッコ、チュニスと王室間の婚姻を結ぶ。
カスティーリャとの停戦が終了。
ポルトガル、アラゴンとの停戦が終了。
統治技術がレベル4に到達。
第1次グラナダ攻防戦
1453年の西地中海
カスティーリャがグラナダに宣戦布告。
攻撃側:カスティーリャ、ナバラ
防御側:グラナダ、モロッコ
その兵力はグラナダ軍を大きく上回っており、同盟に応じて参戦したモロッコ軍と合わせてようやく互角に戦うことができる。
ジブラルタル海峡を南に渡り、モロッコ軍との合流を目指すグラナダ軍であったが・・・
第一次ジブラルタル海戦
カスティーリャ軍がグラナダの首都グラナダを包囲する。
グラナダ軍がカスティーリャの首都トレドを包囲する。
グラナダ軍は窮余の一策として、カスティーリャの首都トレドへの逆侵攻を開始した。
グラナダ軍により、カスティーリャの首都トレドが陥落。
グラナダがカスティーリャにアルメリアの割譲を申し出て講和が成立。
グラナダの周辺地図
(国境はプレイ開始時のもの)
第2次グラナダ攻防戦
1456年の西地中海
グラナダが再びチュニスと軍事同盟を結ぶ。
グラナダにモスクが完成。
モスクの効果により税収が大きく増加し、戦争中でも黒字を維持できるようになった。
統治技術がレベル5に到達。探検アイデアを解放。アイデア「植民地探検」を獲得。
植民地を作るためには未開の土地の発見が必要なので、次の目標は探検家を雇うアイデアの獲得である。
カスティーリャとの停戦が終了。
カスティーリャがグラナダに宣戦布告。
攻撃側:カスティーリャ
防御側:グラナダ、モロッコ
グラナダ軍はジブラルタル海峡を渡ってモロッコへの脱出を目指すが、カスティーリャ軍の動きの方がわずかに早かった。
脱出に必要な時間を稼ぐため、グラナダ軍は自ら王都に火を放った。
グラナダ軍は中立を守るポルトガルから軍事通行権を獲得すると、ジブラルタル海峡を渡りモロッコへの脱出に成功した。
イスラム連合軍はポルトガルを通過してイベリア半島北部に進出すると、カスティーリャの領土を蹂躙しはじめた。
カスティーリャ軍により、グラナダの首都グラナダが陥落。
イスラム連合軍により、イベリア半島北部の要塞カスティーリャ・ラ・ビエハが陥落。
しかし、直後にカスティーリャ・ラ・ビエハが陥落したことで戦争は振り出しに戻る。
トレドでイスラム連合軍とカスティーリャ軍が決戦(トレド会戦)
トレド会戦
イスラム連合軍により、カスティーリャの首都トレドが陥落。
カスティーリャがグラナダにカディスを割譲することで講和。
グラナダ、カスティーリャ両国の疲弊はとうに限界に達しており、首都トレドの陥落によりグラナダに有利な条件で和平が結ばれた。
グラナダの周辺地図
(国境はプレイ開始時のもの)
幕間劇
1467年の西地中海
首長・ムハンマド9世が運動中の負傷がもとで死亡したのである。享年65歳。
ムハンマド10世(ナスル朝)21歳(統治3 / 外交3 / 軍事1)
グラナダで僭称者反乱軍が蜂起。
新君主の即位と同時に真の王を称する反乱軍1万が蜂起。
鎮圧を試みたものの反乱軍の士気は異様に高く、王党派は都落ちを余儀なくされた。
さらに、地方で兵を召集していた王党派を反乱軍が急襲。王党派は手痛い敗北を喫した。
首都グラナダが反乱軍の手に落ちる。
反乱軍が新王朝スレイマン朝の成立を宣言。
タリク1世(スレイマン朝)19歳(統治4 / 外交4 / 軍事2)
ナスル朝最後の首長・ムハンマド10世は処刑されてこの世を去った。享年24歳。
弱冠16歳で前王朝に反旗を翻した若き首長は果たして名君として歴史に名を残せるか?
長期化していたチュニスとアラゴンの戦争が終結。アラゴンが北アフリカに進出する。
1470年の西地中海
アイデア「新世界の探索」を獲得。
カディスのキリスト教徒をスンナ派に改宗。
さらに先の戦争で征服したカディスの異教徒に真の信仰を広め、内戦の混乱に揺れる国内に落ち着きを取り戻した。
第3次グラナダ攻防戦
グラナダの周辺地図
(国境はプレイ開始時のもの)
カスティーリャが停戦の終了と同時にグラナダへ宣戦布告。
攻撃側:カスティーリャ、ポルトガル
防御側:グラナダ、モロッコ
この年、アラゴンに大敗北を喫したチュニスでは内戦が勃発。
フェザーン、トレムセンが軍事介入し、チュニス、モロッコとの間で戦争に発展していた。
グラナダ軍が国境を越えると同時に、首都グラナダはカスティーリャ軍に包囲された。
バダホスでグラナダ軍とポルトガル軍が交戦(バダホス会戦)
バダホス会戦
もはやモロッコ軍の善戦を祈るしかない。
しかし、すでになにもかもが手遅れであった。
カスティーリャ軍とポルトガル軍はジブラルタル海峡を越えてアフリカに侵入した。
グラナダ全土がカスティーリャ軍に占領される。
モロッコの首都フェズが陥落。
フェズをポルトガルへ割譲することを条件に、モロッコが単独講和する。
しかし、モロッコ本土はカスティーリャとポルトガルに占領され、モロッコ軍が帰る場所はもはや残されていなかった。
モロッコが戦争から脱落したことで、グラナダの最後の希望は絶たれた。
グラナダはカスティーリャに無条件降伏。カスティーリャに全土併合された。
1477年の西地中海
不幸なタリク1世はグラナダを滅ぼした最後の君主として歴史に汚名を残した。享年27歳。
終劇
お読みいただいたとおり、歴史より15年早くレコンキスタが完了してしまいました。
国土をすべて失ったため、グラナダでのプレイはここでゲームオーバーになりました。
冒頭の歴史紹介にございますように、ジブラルタル海峡の支配権を失ったことと、国内で発生した権力闘争が、実際の歴史でもグラナダの衰退に影響を与えたようです。
本来ならばこんな短いプレイをわざわざ文章には書き起こさないところですが、たまには失敗したリプレイ(AAR)があってもいいかと思い、あえて恥をさらすことにしました。
すこしでも楽しんでいただけたならば幸いです。