南の虹のルーシ 第2章 雌伏

ロストフでプレイした結果を脚色したリプレイ(AAR)です。
後世の歴史家によって書かれた年代記の体裁になっています。
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本文中の出来事はすべてフィクションです。実在の人物・団体・国家とは一切関係ありません。
これまでのあらすじ
モスクワ大公国の属国として死を待つばかりだったロストフ公国は、ポーランドとデンマークの支援を受け独立に成功する。一度敗北したとはいえ、なおも強大なモスクワの呪縛から逃れることはできるか。
フョードル1世の治世
壮絶な独立戦争から21年。
ロストフは独立を支援した二強国と盟約を結び、束の間の平和を謳歌していた。
その平穏を破ったのはデンマークからの急使である。
ポーランドがバルト海沿岸のデンマーク領に兵を進めたのだ。
攻撃側:ポーランド、他
防御側:デンマーク、他
フョードル1世はしばし沈黙すると、援軍を求める使者を無造作に斬って捨てた。
ポーランドを敵に回せばロストフは滅亡する。そう考えたからだと伝えられる。
1501年 − 同盟の破綻
(赤の下線:ポーランド陣営、黄の下線:デンマーク陣営)
モスクワとオスマンが同盟を締結。仮想敵がポーランドなのは明らかだった。
今やポーランドだけが頼りのロストフにとってこの同盟は大きな脅威となった。
ポーランドとデンマークの全面戦争はポーランドに軍配が上がった。
同年、モスクワが弱体化したデンマークに侵攻を開始。
デンマークは没落の道を歩み始めた。
モスクワと戦争中のデンマークで大規模な貴族反乱が発生。
後世「伯爵戦争」と呼ばれるこの内乱によりデンマーク国内は大混乱に陥った。
ストックホルムの血浴
将来を嘱望されていた後継者フョードルが病死。享年30。
この時、ロストフ公フョードル1世は52歳、妃ヤドヴィガは49歳であった。
ロストフが後継者不在の危機に陥る中、モスクワはデンマークに勝利を収めた。
フョードル1世はリューリク朝の遠い支流から養子を迎え、後継者とした。
モスクワが最後の属国プスコフを併合。
独立に失敗していれば、ロストフも同じ運命をたどったであろう。
プスコフの民会
ポーランドが内乱の続くデンマークに再度侵攻。
デンマークに外敵を防ぐ力はなく、ノルウェーの独立を認めざるを得なかった。
後継者ルカが狩猟中に不慮の事故に遭い、この世を去った。享年33。
この時、ロストフ公フョードル1世は67歳、妃ヤドヴィガは64歳であった。
失意のフョードル1世は夜会で出会った若い娘に一夜の慰めを求めた。
翌年生まれた子はフョードルと名付けられ、ロストフの新たな後継者となった。
ポーランドとリトアニアが合同し、巨大国家コモンウェルスが誕生した。
ロストフの同盟国は依然としてコモンウェルスのみ。
背後にモスクワという敵を抱え、友好関係を維持する以外の選択肢はなかった。
キエフの奪還など夢のまた夢であった。
1527年 − コモンウェルス誕生
ロストフ公フョードル1世が死去。享年71。その治世は49年に及んだ。
跡継ぎはまだ幼く、コモンウェルス出身の妃ヤドヴィガが摂政となった。
摂政ヤドヴィガの治世
摂政ヤドヴィガは実家コモンウェルスより資金援助を取り付けると議会を召集。
チェリャチェフスキー将軍に全軍を委ねるや、モスクワに宣戦布告した。
不意を突かれたモスクワ大公は同盟国オスマンに盟約の履行を求めた。
しかし、残忍な性格で知られる君主セリム1世は要求を無視。中立を宣言した。
攻撃側:ロストフ、コモンウェルス、他
防御側:モスクワ
ロストフ陣営の兵力はモスクワ陣営の倍であり、勝利は確実と思われた。
セリム1世
戦況がロストフ側優位で推移する中、摂政ヤドヴィガが急死。享年70。
後継者フョードルは6歳。ロストフ公国は有力貴族による合議制に移行した。
空位期間
国内で権力の空白をめぐる混乱が続く中、チェリャチェフスキー将軍はよく軍をまとめ、最前線で戦い続けた。
この年、スウェーデンがデンマークに叛旗を翻し、独立戦争に突入した。
二度の大会戦を経て、戦争の長期化を避けたいロストフ側と継戦能力を喪失したモスクワ側の間に妥協が成立。
講和が結ばれ、ロストフは大都市ノヴゴロドを含む豊かな土地を獲得した。
1532年 − ロストフの領土拡大
コモンウェルスとオーストリアが同盟を締結。
この同盟がロストフの運命を大きく変えることを知るものはまだいなかった。
ロストフは独立戦争を続けるスウェーデンとの秘密同盟に調印。
ロストフ、コモンウェルス、スウェーデンからなる対モスクワ同盟が完成した。
翌年、スウェーデンはデンマークに勝利。独立を勝ち取った。
1536年 − 新たなる盟友
(赤の下線:ロストフの同盟国)
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